うどん房わらくについて
さりげないからこそ、じんわりと広がる温かさ。
行きつけのお店を思い出してほしい。
あなたはおいしい料理が浮かんできましたか?いつも買う何かを思い出しましたか…。
私は、自分が大好きなお店は、そこで働く人を思い出す。その人の笑顔を思い出す。
美味しかったとか、欲しかった物があったという記憶と同時に、
一緒に喜んでくれたお店の人が浮かんでくる。
その時はあんまり感じないかもしれない。でも、あとになって何となく想う。
「あそこのお店って、他とは違うな…」。彼らの、「喜んでもらいたい」という気持ちが
あまりにも自然すぎて、私たちは当たり前のようにそれを受け入れてしまう。
それが心地良くて、いつの間にか足を運んでいる。そんな関係を、たくさん創っていきたいと思う。
思わず、笑顔になってしまう。─そんな良い時間を、良い場所で。
今年で20周年を迎えるうどん房わらく。うどんに注ぐ情熱。店を訪れる私たちに注ぐ愛情。そのサービス哲学はシンプルなはずなのに、うどん房わらくという空間を、いざ言葉で言い表そうとすると、とても難
しいことに気付く。具体的にあげるときりがない、うどん房わらくで感じる「やさしさ」や「安心感」。だから、その場にいる時は当たり前すぎて「うどんがうまい」「サービスとしてのすごさ」を感じることはできない。正確に言うと、サービスとは思えないほど自然体。今、巷には「私たちは心を込めてお客様をおもてなしします!」と、過剰にホスピタリティをアピールするお店が多すぎる。そう思っているのは、私だけではないはずだ。
そんな気合いの入りすぎたお店に行くと、無性にうどん房わらくにかえりたくなる。1日200人来店したら、うどん房わらくは200通りに動く。その臨機応変さは、決して型通りのマニュアルからは生まれない。
あるのは、「わらくイズム」…どんなものかわかりそうでいて、うまく表現できないのだが…。